明段舎は、3D・360度・VRでご提供します。
撮影:明段舎株式会社
『つながるデジタル空間』明段舎
360度撮影が不動産業者の営業とマーケテイングで活用できる場面について、
当社のブログ「低コストで導入可能360度写真系バーチャルツアー」をご参照ください。
パノラマとバーチャルツアー:HDR・20k・360度パノラマ撮影やドローン空撮によるバーチャルツアー制作のことです。地域紹介・オンライン旅行や企業のオンライン職場見学に特化したサービスです。
画像・映像や環境音・空から地域の紹介などを楽しめる明段舎のパノラマとバーチャルツアーのポートフォリオです。
これらの事例の撮影手法にご興味をいただいた方は下記のブログまで情報収集ください。
これらの事例のように御社の施設を撮影してほしい方は下記のランディングページまでご覧ください。
360度撮影が不動産業者の営業とマーケテイングで活用できる場面について、
当社のブログ「低コストで導入可能360度写真系バーチャルツアー」をご参照ください。
撮影機材はSonyα7RⅣ・12mm F2.8 ED AS NCS FISH-EYEです。
撮影について詳しくは「プロフェショナル・バーチャルツアー制作」をご覧ください。
360度撮影が建築士の営業とマーケテイングで活用できる場面について、
当社のブログ「低コストで導入可能360度写真系バーチャルツアー」をご参照ください。
皆さん、こんにちは。明段舎株式会社のブラウンです。
今日は、私がこれまで手がけた中で最も規模が大きく、これまでの知識と経験を総動員して成し遂げたプロジェクトの一つ、神戸コンベンションセンター(KCC)のデジタルツイン(デジタル空間上に現実空間を再現したもの)が完成するまでについてお話します。2万8千平方メートルという広大な会場を、どのようにデジタル空間に再現したのか、その舞台裏を覗いてみましょう。完成したデジタルツインのバーチャルツアーはこちらからご覧いただけます[Kobe Convention Center]。個々の建物のバーチャルツアーはこちらです[神戸国際会議場(本ページ)、神戸国際展示場1号館、神戸国際展示場2号館、神戸国際展示場3号館]。
神戸コンベンションセンターから直接お話をいただいたとき、これは大変なプロジェクトになるに違いないと、身が引き締まる思いでした。実際に現場を訪れて、その広さに圧倒されましたね。とにかく巨大で、この複雑な建物をどうやってデジタル化しようか、頭の中はフル回転でした。
KCCのご担当者様は、デジタルツインを通して、潜在顧客に会場をオンラインで体験してもらいたいと考えていらっしゃいました。また、施設のレイアウト計画や測定など、内部業務での活用も期待されていらっしゃいました。
今回は日割り料金でのお見積を提案させていただきました。スキャンと編集にかなりの時間がかかること、それにクライアントからいただいた平面図が一部しかなかったため、これがベストな方法だと判断しました。そこで、メインスペースとそれ以外のエリアの比率をもとに、全体の面積を推定する独自の計算方法を編み出しました。当初は35日間のスキャン作業を見込んでいましたが、KCCの皆さんのご協力のおかげで、最終的に30日間で完了させることができました。本当に感謝しています。
KCCの皆さんのご協力のおかげで早期に撮影を終了しました。この写真の背景にある警告まで作成していただきました。
そして、デジタルツインは制作して終わりではありません。KCCのスタッフの皆さんに、対外的にはより効果的に、内部業務に対してもより効率的にご活用していただくために、定期的なメンテナンスや分析レポートの提供などを含む継続的なサポートもご提案させていただきました。
広大な会場を隅々までスキャンするには、高性能なツールが欠かせません。画質の面ではMatterport Pro2が頼りになりましたが、特に広大な展示ホールではLeica BLK360 G1の性能が発揮されました。Leicaの機材はMatterportのソフトウェアツールでは、最も正確な3Dスキャナーで、10㎡あたり僅か6mm以内の誤差しかありません。
ソフトウェアも色々使いましたね。3DVista、Matterport、それにMPEmbed(エムピーエンベッド)。特にMPEmbedは非常に活躍しました。メニュー作成や360°画像の埋め込みはもちろん、Matterportで処理すると稀に大きな空間に「通行不能な壁」のようなノイズ(不要データ)が発生することがあるのですが、MPEmbedを使えばこれを綺麗に修正できるんです。
高画質の360度パノラマ写真にはSony α 7RⅣミラーレスカメラを使いました。処理ソフトも、Lightroom、Photomatix、PTGui(ピーティーグイ)、Affinity Photoと、それぞれの特徴を活かし、処理にもこだわりました。
巨大な展示ホールのスキャンは、まさにパズルを解くような作業でした。そこで、複数の技術者が同時にスキャンできるよう、LeicaとiPad Proを組み合わせた独自のワークフローを開発しました。Matterportは、別々にスキャンしたデータを後から繋ぎ合わせるのに費用がかかってしまうのですが、この方法ならその心配はありません。
そして、荷物や機材の搬入口の360°パノラマ撮影で困った事態が発生しました。メンテナンス作業中で、シャッターが開いた状態の撮影ができなかったのです。そこで、以前撮影した通常の写真と、新しく撮影した360度画像をAffinity Photoで合成するという方法で乗り切りました。
パノラマ撮影時のシャッタの状態(11月)
通常撮影時のシャッタの状態(9月)
9月の画像と11月の画像を合成したパノラマ!
スキャンデータは毎日アップロードしていました。進捗管理はもちろん、エラーがあった場合にもすぐに気付けるので、とても大切なポイントです。イベントなどでスキャン作業が中断されることもあったので、以前のデータと照合しながら、常に整合性を保つように気をつけました。そして、何よりも品質を保つことを最重視しました。
ありがたいことに、今回使ったプラットフォームはすべてスムーズに連携させることができました。3DVistaにGoogleマップのタイルを組み込めたのも良かったです。
Matterportとミラーレスカメラで撮影した360°写真の色合いを揃えるのは少し大変でしたが、Affinity Photoで丁寧に調整することで解決できました。
完成したデジタルツインのバーチャルツアーはKCCのWebサイト上で公開し、オリジナルの写真データと共にお渡ししました。KCCの皆さんに喜んでいただけて、本当に嬉しかったです。
神戸コンベンションセンターのHPにおいてこの画像をクリックしてバーチャルツアーを再生する仕組みとなっています。
今は、一部内装やレイアウトが変更された箇所を反映するためのアップデート作業を進めています。
今回のプロジェクトを通して、大規模なデジタルツイン制作には経験がいかに重要であるかを改めて実感しました。
他のMSP(Matterport Service Provider:Matterportのサービスプロバイダー)とのネットワークも、大きなプロジェクトを成功させるためには欠かせません。このプロジェクトではLeicaBLK360二台を同時進行に撮影した日には株式会社exAgentの中山様、MatterportPro2撮影の一部を株式会社Toltechの前田様のお手伝いに感謝しております。
そして、どんなに高性能な機材を揃えても、それを使いこなす技術がなければ意味がありません。優れた作品を生み出すには、ツールの性能だけでなく、その限界を知ることが重要です。ハンマーを買ったからといって、すぐに大工になれるわけではないのと同じですね。だからこそ、人の経験値が大事なのです。
神戸コンベンションセンターのバーチャルツアープロジェクトは、スタート時には本当に多くの課題を抱えていましたが、最終的な成果物には、大変満足していただいています。デジタルツイン技術の可能性を示す好例であり、私自身も多くのことを学ぶことができました。
レーザースキャナーの限界を知っていたからこそ、今回のプロジェクトを成功させることができたのだと思います。最新のMatterport Pro 3を使わなくても、工夫次第で素晴らしいデジタルツインが作れるということを証明できたのではないでしょうか。バーチャルツアー制作のスキルを磨くには、28,000平方メートル規模のデジタルツインに挑戦するような、実践的な経験に勝るものはありませんね。
建物のマーケティングで活用する明段舎の3D撮影サービスについてご興味頂けた方はマターポート3D撮影サービスまでご覧ください。
建設現場や大規模施設で活用する明段舎のデジタルツイン作成サービスについてご興味頂けたかたはデジタルツイン作成サービスまでご覧ください。
3DVistaの制作についてご興味いただけた方は「3DVista」のブログカテゴリーや「パノラマとバーチャルツアー」の制作事例をご覧ください。
明段舎では、3DVistaと360°撮影の講習を行っております。ご興味があればこのフォーマットでご連絡ください。現時点では対面でも講習が可能ですが、2025年秋ごろオンディマンドコースをリリースする予定です。
MICE施設の3D撮影の課題点と解決法はこのブログまで。
神戸コンベンションセンターバーチャルツアーの英語での取材についてはこちら。
こんにちは。明段舎株式会社のブラウンです。
「次世代の映像で人々の生活を豊かにする」をコンセプトに、Webとリアルの垣根のない未来を目指し、デジタルと現実空間をつなげることに取り組んでいます。
全国で350件以上のバーチャルツアー制作実績を持つ弊社では、Matterport Pro2やLeica BLK 360 G1といった最新機材とドローンを駆使し、高精度な3Dデータやデジタルツインを制作しています。
今回は、戦後の真珠産業の復興に貢献した「日本真珠会館」のバーチャルツアーを制作しました。国の登録有形文化財にも指定されたモダニズム建築の傑作を、デジタル空間で体感していただけます。
日本真珠会館は、1952年に設立された真珠輸出組合の拠点として、神戸市に建設されました。戦後日本の復興を象徴するモダニズム建築として、国の登録有形文化財にも指定されていましたが、老朽化のため2023年に惜しまれつつ閉鎖されました。
この建物は、日本の真珠産業の繁栄の歴史を静かに見守ってきた証人でもあります。戦後、真珠は絹と並ぶ日本の主要な輸出品として、外貨獲得に大きく貢献しました。当時の日本は、真珠の輸出によって得た外貨で、必要な物資を輸入し、復興を遂げていったのです。真珠輸出組合は、真珠の品質管理や輸出促進を担い、業界の発展に尽力しました。その活動拠点として建設されたのが、日本真珠会館です。
日本真珠会館は、建築家・光安義光(みつやす よしみつ)氏の設計によるモダニズム建築の傑作です。1952年、真珠輸出組合の資金と兵庫県の補助金によって建設されました。それまで兵庫県庁のような公共設計で知られていた光安氏は、日本真珠会館を設計すると同時に、自身も日本真珠会館内に事務所を構えることになりました。
光安氏の「空間は人それぞれに時間的変化による感情を持っている」という設計思想のもと、この建物は設計されました。戦後の復興を象徴するモダニズム建築として、当時の最新技術とデザインが導入されました。
例えば、エントランスの緩やかな曲線を描くデザインは、建物の直線的な冷たい印象を和らげ、来訪者を自然に内部へと誘導します。また、中庭は、暑い季節に自然と建物内の空気の対流を促し、阪神・淡路大震災の際には建物のねじれを吸収し、倒壊を防いだと言われています。
さらに、階段の手すりは、手触りの良さを追求した滑らかな曲線で仕上げられています。細部にまでこだわった設計は、訪れる人々に心地よさと感動を与えてくれます。
この貴重な建物を、バーチャルツアーとして後世に残すことができ、大変うれしく思います。。
1階のミュージアムには、日本の真珠産業の歴史を物語る貴重な資料の数々が展示されています。
これらの展示品を見ると、日本の真珠産業が歩んできた道のりがよくわかります。
今回のバーチャルツアー制作にあたり、光安義光氏の息子であり、自身も建築家である光安義博氏にお会いすることができました。光安義博氏からいただいた日本真珠会館の建築に関する解説を、バーチャルツアーのいたるところで目にすることができます。この解説は建物の中のタグに、写真、動画、文章で埋め込まれています。日本真珠会館の隠された魅力を探ることができますので、ぜひ見つけて楽しんでみてください。
例えば、
これらの解説を通して、光安氏の設計思想や、当時の建築技術を垣間見ることができます。
4階には、2つの異なるイベントを記録したバーチャルツアーがあります。これらのイベントは3Dバーチャルツアーとは別に360度写真と動画で真珠会館の利用者の様子を記録しています。
1つ目は、「The 103rd Concorde South Sea Pearl Auction」です。このイベントでは、国際色豊かなバイヤーたちが真珠を品定めし、交渉する様子を記録しました。真珠を手に取って吟味する音や、窓の外を走る車の音など、環境音も収録することで、2022年8月の暑い日の熱気を体感できます。
The 103rd Concorde South Sea Pearl Auction
>2つ目は、同年9月に行われた「入札会」です。こちらは、日本真珠輸出加工協同組合が主催する組合員限定の入札会です。組合員である出品者が出品した真珠に対し、組合員である買手が札を入札箱に入れることで応札します。バーチャルツアーでは、入札結果を待つ間の緊張感あふれる雰囲気や、結果発表の様子を臨場感たっぷりに再現しています。司会者による落札結果のアナウンス、慌ただしく結果用紙を配布する係員、そして落札した喜びや落札できなかった悔しさなど、様々な感情が入り混じる空間を体験できます。
今回のバーチャルツアーは、Matterport Pro2カメラで撮影した3D空間データを基に構築しました。建物の内部をくまなく撮影し、その形状や質感を忠実に再現しています。
さらに、Sony α7R IVと魚眼レンズを組み合わせた360度パノラマ写真や、高画質動画も撮影しました。これらの写真や動画を3D空間データに埋め込むことで、より臨場感あふれるバーチャルツアーを実現しました。
日本真珠会館は、日本の近代建築史において重要な役割を果たしただけでなく、戦後の真珠産業を支えた拠点でもありました。
私たちは、バーチャルツアーを通して、この建物の歴史と魅力を多くの人々に伝え、未来へつないでいきたいと考えています。
神戸市にある「日本真珠会館」で行われた最終入札会です。
バーチャルツアーには高画質HDRパノラマをベースに4K動画で真珠のバイヤー様及び業者の様子が記録されています。
撮影機材はSonyα7RⅣ・12mm F2.8 ED AS NCS FISH-EYEです。
明段舎が撮影した高画質の360度写真・パノラマやマーターポートの3Dウォークスルー・バーチャルツアーを使っています。
米国の「Visiting Media LLC」が360度写真の編集と全体のUIの制作を行いました。
この案件は高解像度のHDR適用360度写真・パノラマを豊富に使用しているため、ポートフォリオに掲載いたしました。
高解像度360度パノラマについてこちらのウェブページをご参照ください。
企画と制作にかかわった企業様はVisiting Media LLC、MEIDANSHA、
撮影機材はMatterport Pro2・Sonyα7RⅣ・10mm f/2.8 Full-frame fisheye lensです。