「日本真珠会館」のデジタル保存

デジタルアーカイブ事例

明段舎株式会社・他

日本真珠会館:登録有形文化財のデジタルアーカイブと歴史的入札会の記録

プロジェクトデータ

  • タイトル
    [文化財・アーカイブ] 神戸市:日本真珠会館 閉館前の完全デジタル保存プロジェクト
  • 所在地 (主要エリア)
    兵庫県神戸市 (国際オークション記録)
    ※全国出張対応 
  • 提供サービス
    建築文化財アーカイブ、インタラクティブ・ドキュメンタリー制作
  • 納品物
    3Dデジタルツイン(Matterport)、3DVistaカスタムツアー、解説動画、環境音(Spatial Audio)、オークション風景の360度記録

1. 現場の課題

2023年に閉鎖が決定した「日本真珠会館」(1952年築・光安義光設計)。国の登録有形文化財であり、日本の戦後復興を支えた真珠産業の聖地を、解体・改修前に「生きた状態」で永久保存する必要があった。単に建物の形状を記録するだけでなく、そこで行われていた国際入札会の熱気や、設計思想という「無形の価値」をどう定着させるかが最大の課題であった。

2. 明段舎の「アーカイブ・ソリューション」

多角的なメディアを統合し、教育・資料的価値の高い「歩ける博物館」を構築した。

  • 学術的解説の統合
    設計者・光安義光氏の息子であり建築家の光安義博氏による解説を、建物内のタグに写真・動画・テキストで埋め込み。螺旋階段の陰影や特注の片肘椅子など、意匠の細部に宿る「意味」を可視化した。
  • 「熱気」の記録 (Event Archiving)
    第103回コンコルド・サウスシーパール・オークション、および会館最後となった組合入札会の様子を360度動画で記録。バイヤーの吟味する音や落札のアナウンスなど、環境音をサンプリングすることで、2022年夏の「最後の熱気」を封じ込めた。
  • 高精細ハイブリッド撮影
    Matterport Pro2による3D空間データと、Sony α7R IVによる超高画質パノラマを融合。レトロな事務機器や真珠加工器具の質感を、後世の専門家が調査可能なレベルで再現した。

3. 拠点と社会貢献

  • 拠点
    大阪市内にあるオフィスから神戸へ出張。閉館までの限られたスケジュールの中で、入札会等の重要なイベントに合わせて複数回の撮影を遂行。
  • 次世代への継承
    このプロジェクトは「Webとリアルの垣根のない未来」を体現するものであり、失われる建築資産をデジタル空間で「公共資産」として再定義。
  • 全国へ出張対応
    明段舎では、全国各地の歴史的建造物、美術館、伝統産業拠点の「最後の姿」を記録するミッションを承り中。

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