一眼による360度写真:Matterport系3Dバーチャルツアーにアップロード
一眼による360度写真:Matterport系3Dバーチャルツアーにアップロード
Matterportアンドロイドベータ版ツール
新規ツールが追加されました。これは2021年10月にリリースされた「アンドロイドベータ版Matterportキャプチャーアプリ」の機能で、アスペクト比2:1の360度写真をアップロードすることができます。
具体的な手順は、GoogleDriveやDropboxなどに画像をアップロードし、Matterportキャプチャーアプリからダウンロードし、それをMatterportクラウドに再度アップロードするというものです。手間がかかる方法ではありますが、非常に有用性が高いツールです。
6月のブログでは、このツールを使用したバーチャルツアーの作成方法について考察します。今月は、新しいツールを使用して一眼レフカメラによる360度写真の撮影を再考したいと思います。
一眼レフによる360度写真
360度カメラが普及する前は、一眼レフカメラによる360度写真が主流でした。
ただし、一眼レフカメラを使用すると、機材の準備や調整に時間がかかります。そのため、リコーシータの登場により、一眼レフカメラを使用した360度写真の撮影は減少しています。
しかし、一眼レフカメラを使用すると、画質が確実に向上します。
一眼レフカメラやミラーレスカメラに搭載されているセンサーは、一般的に360度カメラよりも高品質です。そのため、解像度の面では、リコーシータZ1の360度写真が6Kであるのに対し、一眼レフカメラで撮影した360度写真は20〜30Kになります。これは、展示やプラネタリウムなどの用途に適しています。また、色再現などの面でも様々な利点があります。
撮影場所や用途に応じて、適切な機材を選択する必要があります。そのため、画質を重視する場面でスマートフォンでの撮影は不適切であり、360度カメラを使用することが望ましい場合もあります。
Matterport関連のソフトウェアを使用したバーチャルツアーの編集では、これまで360度カメラやMatterport専用カメラ(例:Matterport Pro2)しか使用できませんでしたが、Pro2やMatterport Pro3などのカメラはシャッタースピードが遅く、HDR設定を変更することができないため、人物や動物などが主題となるバーチャルツアーの撮影が困難でした。
一眼レフカメラを使用することで、Matterport系の3Dバーチャルツアー撮影がこれまで不可能だった動物園や牧場、イベント会場などでの撮影が可能になります。
一眼レフに360度写真の編集方法
360度写真の編集方法については、YouTubeのチュートリアルなどを参考にするのが効果的ですが、以下に簡単な手順を示します:
- パノラマ雲台に載せた一眼レフカメラで複数方向から写真を撮影します。
- 画像をPTGUIやHUGINなどのパノラマ作成ソフトにインポートします。
- Affinity Photoなど、360度写真を編集できるソフトウェアで修正を行います。
これらの手順は簡単に思えるかもしれませんが、実際にはカメラの設定や雲台の調整などが複雑です。また、HDR合成などの処理は時間がかかるため、1枚の写真の編集には1日以上かかることもあります。
このプロセスについては、上記の動画で詳細を確認できます。
追記:一眼レフ360度写真によるMatterport3Dバーチャルツアー例
2022年5月にこのブログを読んでくださった方より同じ年8月に牧場のMatterport3Dバーチャルツアー作成依頼をいただきました。一眼レフによる360度写真で牛の姿を3Dで見える制作となりました。
下記のリンクで保存してあります。
https://meidansha-co.com/portfolio/virtual-cattle-farm/fullscreen/