MICE施設の3Dバーチャルツアー:課題と解決策by MEIDANSHA2024年11月15日バーチャルツアー制作0 MICE施設の3Dバーチャルツアー:課題と解決策 コンベンションセンターのバーチャルツアー 近年、会議場や展示場などの「MICE施設」において、3Dバーチャルツアーの導入が進んでいます。施設の魅力を世界中の利用者に分かりやすく伝え、施設情報を提供するのに効果的であると注目されています。しかし、広大なMICE施設の3Dバーチャルツアーを作成するにあたり、いくつかの課題が出てきます。この記事は、当社がコンベンションセンターや大規模な宴会場の3D撮影にあたり、実際に直面した課題とその解決策をご紹介します。 課題1:スキャン範囲の決定と作業日数の予測 大規模な施設では、スキャン範囲を正確に決定し、必要な作業日数を予測することの難易度が高くなります。見積もりの段階で、正確な情報に基づいた計画を立てることが重要です。撮影は基本的にイベント開催がない日に行われますが、撮影業者の時間の見積りの精度が問われると言えるでしょう。解決策: 総床面積を基に、各ホールに付随するスペースを予測。各ホールと付随する廊下などのスペースあたりの作業日数を算出することで、より正確な作業日数の予測が可能となります。 課題2:複数技術者によるスキャン作業の効率化 大規模な施設では、複数人でスキャン作業を行う必要があります。その際、作業の効率化とスキャンデータを結合するコストが課題となります。解決策: カメラ内にデータを保存するLeica BLK G1とiPad Proを使用することで、現場で2人以上の技術者が同時にスキャン作業を行っても、データを効率的に結合することができます。事後にソフト提供会社に結合を依頼する必要もなく、コストも削減できます。 課題3:広大なオープンスペースでのスキャンにおける位置合わせエラー Matterport製のカメラは写真解像度に優れていますが、広大なオープンスペースでのスキャンにおいて位置合わせエラーが頻発するという課題がありました。この現象はMatterport製「Pro2」でも「Pro3」でも確認しています。解決策: 位置合わせ精度の高いLeica BLK G1を補完的に使用することで、この問題を解決しました。Matterport製のカメラとLeica BLK G1を併用することで、高画質と高精度な位置合わせを両立させることができます。 課題4:イベント開催によるスキャンの中断と状況変化 MICE施設では、イベント開催によるスキャンの中断や、スキャン再開時の施設の状況変化への対応が求められます。解決策: スキャンデータ自体を参考に、以前の椅子の並べ方などを確認し、連続性を確保することで、イベント開催による影響を最小限に抑えることができます。 課題5:「スクール」や「シアター」などのレイアウト変更への対応 MICE施設では、イベントや会議の目的に合わせて、スクール形式やシアター形式などのレイアウト変更が可能です。これを一つのバーチャルツアーで利用者に見せることが必要です。解決策: 一眼やミラーレスカメラで360度写真を撮影し、Matterportの3D表示を補完する「MPEmbed」の機能で表示することで、様々なレイアウトに対応したバーチャルツアーを作成することができます。 課題6:編集箇所に関するクライアントとのコミュニケーション 大規模な施設では、編集箇所を伝える際のコミュニケーションが課題となります。「どこどこの壁に汚れがありますので、ぼかしを入れてください」など、メールでは伝えにくいのです。解決策: クライアントにバーチャルツアーの座標指定方法を伝えることで、問題の位置にダイレクトに飛ぶURLを発行することができます。この指定方法で編集箇所が明確に伝えられるようになります。座標指定のURLを活用することで、その他のコミュニケーションも円滑になります。 投稿をシェア PREVKobe Convention Center 3D Virtual Tour NEXTKansai XR Content Creation Business Directory Update MEIDANSHA Related Posts お客様の声:林 哲(さとし)様(株式会社林工務店) 2025年12月24日 京都市の林工務店様による導入事例。写真では伝わらない「動線」や「空間の広がり」をバーチャルツアーで解決。PRツールとしてだけでなく、設計打ち合わせの質と顧客満足度を高める、工務店経営におけるXR活用の秘訣を公開します。... 兵庫県立甲山高校 3Dスキャンプロジェクト 2025年11月27日 この秋、西宮市の事業として行われた、兵庫県立甲山高等学校での特別なプロジェクトをお手伝いしました。 閉校が迫る「マンモス校」の校舎を、生徒たちが3Dスキャナーで丸ごとデジタル化し、思い出をアーカイブするという取り組みです。... 「”かかりつけ”クリエイターを見つけよう!!」に登壇 2025年07月28日 「3Dモデルハウスの感動が建物のリアル集客へ」、3Dモデルハウスを活用した集客術を解説。7月29日に大阪で開催される「“かかりつけ”クリエイターを見つけよう!!」で、バーチャルツアー導入のメリットや競合との差別化、顧客対話力の向上、コスト削減について学べます。事前登録制・参加無料。...