六甲山邸館

六甲山邸館

立地という課題を強みに変え、大規模建築の「真価」を可視化

実績紹介:六甲山・元企業保養所の魅力をドローンとVRで体現したマーケティング戦略

こんにちは、明段舎のブラウン・ダニエルジョンです。

今回は、2023年11月に手がけた、兵庫県・六甲山地に位置する元企業保養所のプロジェクトをご紹介します。この案件は、アクセスの難しさという「物理的な距離」をデジタルの力で克服し、広大な空間の魅力を正しく市場に届けるという、非常に戦略的な挑戦でした。

きっかけは40年以上日本を見てきた投資家からの依頼

オーナー様は、日本に40年以上在住し、多くのビジネスを手がけてこられた海外出身の投資家でした。彼が六甲山に所有していたのが、北に山々を、南に神戸の海を一望できる、開放感に満ちた素晴らしい元保養所だったのです。

しかし、20人以上が宿泊可能な広大な空間と、都市部から離れた立地ゆえに、既存の不動産ポータルサイトの写真だけではその素晴らしさが伝わりきらず、1年以上も買い手がつかない状態が続いていました。そこでオーナー様から、「この停滞した状況を、明段舎の映像技術で打開してほしい」と直接のご依頼をいただいたのです。

感情を揺さぶるストーリーで期待感の醸成と空間把握

そこで、ただ撮影するのではなく、視聴者の「感情」を動かすための二段階の構成を提案しました。

  1. ドローン・シネマティック・イントロダクション(パノラマの絶景と外観)
    まず、六甲山の絶景と建物の外観をドローンでダイナミックに捉えました。北側の山並み、南側に広がる海、そして建物の複数のバルコニーが織りなす開放感を映像化。これをバーチャルツアーのオープニングにすることで、視聴者に「中を見てみたい!」という強い期待感を抱かせるフックを作りました。
  2. Matterport 3Dバーチャルツアー(室内空間)
    ドローンで高まった期待感をそのままに、建物内へ誘導します。ドミトリー形式の部屋やダブルベッドルームなど、迷路のように複雑で広い室内空間を、Matterportによって一つの繋がった空間として再現。見る人が自分のペースで、20人以上が過ごすシーンを具体的にイメージしながら歩き回れるようにしました。

月間80PVの持続と「質の高い」反響

このコンテンツを導入した結果、販売活動に劇的な変化がもたらされました。

  • 継続的な注目度: 導入後、不動産販売会社の自社サイトにて、毎月安定して80回以上のバーチャル内覧が行われました。山の上という気軽に行けない場所だからこそ、デジタル上での「下見」が極めて高い価値を持ったのです。
  • 業務効率化: 担当のエージェントからは「内覧希望の質が明らかに変わった」との声をいただきました。事前に映像とパノラマで空間を体験した人だけが問い合わせてくるため、興味本位の層を自然にスクリーニングでき、遠方への案内業務の負担が大幅に軽減されたのです。
  • ウェブサイトの滞在時間向上: 没入感のあるコンテンツにより、不動産販売会社の物件ページへの滞在時間が伸び、検索順位の安定にも寄与しました。

発見:ビジュアルが「アクセスの壁」を取り払う

このプロジェクトを通じて確信したのは、「良いものほど、正しく見せる必要がある」ということです。立地の不利や規模の大きさは、3Dバーチャルツアー(デジタルツイン)とシネマティックな演出を組み合わせることで、むしろ「希少価値」という強みに変わります。

最終的にこの物件は新たなオーナーへと引き継がれましたが、3Dバーチャルツアーがその「架け橋」となったことは間違いありません。

明段舎の仕事は、単に記録することではありません。

「次世代の映像で生活を豊かに」というビジョンのもと、物理的な制約を飛び越え、空間に宿る「価値」を必要としている人へ届けます。

私たちはこれからも、最新のテクノロジーを駆使して、不動産、建築、そして地域社会の課題を解決する「道」を切り拓いていきます。

Year

2023