Projects filed under: インターアクティブ・コンテンツ

  • CGLLプレスリリース:デジタルツインによるAR実験
コモングラウンドリビングラボ(CGLL) ARが描く驚きの世界:デジタルツインで実現!コモングラウンドリビングラボ(CGLL)での実験記録 皆さん、こんにちは。明段舎株式会社のブラウンです。 「次世代の映像で人々の生活を豊かにする」をコンセプトに、ウェブとリアルの垣根のない未来を目指し、デジタルと現実空間をつなげることに取り組んでいます。 全国で350件以上のバーチャルツアー制作実績を持つ弊社では、Matterport Pro2やLeica BLK 360 G1といった最新機材とドローンを駆使し、高精度な3Dデータやデジタルツインを制作しています。 近年、AR技術の進化には目覚ましいものがあり、私もその可能性に注目しています。AR技術を使えば、現実世界にデジタル情報を重ね合わせ、今までにない表現や体験を生み出すことができます。そこで、AR技術とデジタルツインを組み合わせることで、展示空間をさらに魅力的にできるのではないかと考え、大阪商工会議所のサポートで「コモングラウンドリビングラボ」(CGLL)で実証実験を行うことができました。 実は2年前にも、大阪市港区の「POWERARTS」で同様の実験を試みたのですが、その時はWi-Fi環境が大容量のコンテンツに対応できず、うまくいきませんでした。今回はその反省を活かし、万全の準備で臨みました。 実験場所として選んだCGLL 今回の実験場所として選んだコモングラウンドリビングラボ(CGLL)は、大阪市北区天満橋にある、スマートシティ実現に向けた実証実験場です。様々な分野の企業や団体が集まり、互いに協力しながら、新しい技術やサービスを生み出すためのオープンイノベーションの場となっています。 CGLLを選んだ理由は、広々とした実験空間、安定したWi-Fi環境、そして異業種交流による刺激が得られる点に魅力を感じたからです。CGLLのメンバーや企業間で定期的なミーティングも開催されており、お互いのVRやARの取り組みを聞くことがそれぞれの良い刺激になっています。 CGLLでの奮闘の2日間 CGLLでの実験は2日間にわたって行われました。 1日目は、Leica BLK 360スキャナーを使ってCGLLの実験空間をくまなくスキャンし、Matterportを使って点群データを処理してデジタルツインを作成しました。2年前の失敗を教訓に、Wi-Fi環境と機材の選定、コンテンツの圧縮などに細心の注意を払いました。作業をしたパソコンではかくかくとした動きもなく綺麗に滑らかに映っていました。デジタルツインが完成した時は、本当に嬉しかったです。 Leica BLK G1 Leica BLK 360での撮影のイメージ(建物測量の案件より) 2日目は、いよいよARコンテンツの表示検証です。過去の失敗が頭をよぎり、緊張感が高まりました。しかし、ここで予期せぬトラブルが発生!API接続がうまくいかず、ARコンテンツが表示されないのです。 APIはデジタルツインの保存先のMatterportのサーバーとAR表示ソフトの「AR Connect」の間のものです。3時間に及ぶ格闘の末、AR Connectの開発者であるPhoria社の方々とオンライン会議でつなぎ、協力して原因を突き止めました。なんと、原因は設定ミス!初歩的なミスだと思われるかもしれませんが、突き止めるのにプロでもそれぐらいの時間を要するほど、設定項目が複雑なのです。安堵と同時に、トラブルシューティングを通して、改めて確認の大切さ、プロでも難しい設定の複雑さを痛感しました。 ARコンテンツの2つのアニメーション トラブル解決後、ついにARコンテンツの表示に成功しました! 今回表示したのは、2つのアニメーションです。1つは、比較的軽量な恐竜のアニメーション(約5MB)。もう1つは、フォトグラメトリで作成した、私が永遠にバク転し続けるアニメーション(音声付き)です。私は42歳なので、現実ではバク転なんてできませんが、ARなら夢が叶います(笑)。 CGLLでの恐竜のアニメーション CGLLでブラウンがバク転をする様子(笑) これらのアニメーションは、CGLLの両端に配置しました。約50メートル離れた場所に表示されたARコンテンツは、1回の位置合わせで正確に表示され、スムーズに動作しました。まるで、本当に恐竜が歩き回り、私がバク転しているかのような、不思議な感覚に包まれました。 スマホで位置合わせのイメージ(「POWER ARTS」のAR展示より) ARが切り開く未来の展示 今回の実験を通して、AR技術の可能性を改めて実感しました。AR技術を使えば、展示空間に新たなコンテンツや情報が追加でき、より魅力的な体験を提供することができます。 例えば、博物館では展示物の解説をARで表示したり、歴史的建造物をARで復元したりすることができます。ショールームでは、商品の詳細情報をARで表示したり、バーチャル試着を体験したりすることができます。イベントでは、ARを使った空間演出やインタラクティブなゲームで、参加者を楽しませることができます。教育現場では、ARで教材を視覚化したり、仮想空間での体験学習を実現したりすることができます。...

Year

2023